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2020年

2月例会報告

2020年2月9日(日)のじぎく会館で開催

ユキモチソウ.jpg

当日配られた資料の表紙の標本図(ユキモチソウ)です。

画面をクリックすると拡大表示されます。

 2月例会は2月9日に、出席者38人で持たれました。

 当日は「みねはな会」会員で京都府立高等学校教諭の瀬野順一氏を講師にお招きし、「テンナンショウの世界」というテーマでお話ししていただきました。テンナンショウの仲間はサトイモ科の単子葉植物で、主に塊茎を持ちますが、根茎種もある多年草です。世界では150種、日本では全域に分布し、分類は未だ定説なしですが、とりあえず45〜50種が分布するとされています。一部の山野草愛好家は好むけれど、一部はコンニャク(別種ですが)に代表されるような花は、注目されないというか、嫌われるタイプの野草です。とは言え会員にとっては興味津々、願ってもないテーマです。

​ まずはユキモチソウ(アリサマエ・シコキアナム)の形態からスライドで説明があり、花のようにみえるが、実は葉が変形した仏炎苞であり、こんけいの成長具合で雄株になったり雌株になったりする特徴があって、その外見上の区別が説明されました。

 葉や茎の分枝形態を聞き、以降は日本固有の40種あまりをご自分で調査された自生地での観察からの特徴、そして意外性の発見などのエピソードを面白く解説されました。微妙な個体差のある写真を見ている内に、だんだん頭が混乱してきて、許容量を超えてしまい、分類が混沌としてきました。

 名前の由来は、ほぼ土地土地の名前がつけられていることで関連付けて覚えたらいいので救われました。

 セッピコテンナンショウ、兵庫県の雪彦山で絶滅したかと思われていたのが、3ヶ所で再発見されています。

 播磨地方の希少種ハリママムスグサや奈良の室生に因むムロウタンナンショウ、キシダマムシグサ(発見者の姓に因む)、キリシマテンナンショウ、ツクシヒトツバタンナンショウ、ウンゼンタンナンショウ(九州)、イシズチテンナンショウ、シコクヒロハテンナンショウ、ミミガタテンナンショウ(四国)、ナギヒロハテンナンショウ(岡山県奈義山)、タカハシテンナンショウ(岡山県)、オオミネタンナンショウ(奈良県)、アシュウテンナンショウ(京都府)、スルガテンナンショウ(東海)、イナヒロハナテンナンショウ(長野。岐阜県)、富士山麓や伊豆、東北地方にもナガバマムシグサ、カントウマムシグサなど美しい種類があるそうです。また新種の記載を待っている種類もあるそうです。

 咲き方もヒガンマムシグサのように、花がまず咲き、花が終わる頃に葉が展開する種類もあるということも改めて知りました。

 高校の教師を務めながら、西日本各地の春には車で観察に出向かれ、テンナンショウに注がれる情熱、熱意に打たれたスライド鑑賞でした。

栽培

・テンナンショウ類は、雄花は早く芽を出し早く枯れ、雌花は遅れる。

・過湿にならないように水やりの癖にあった用土、鉢選びが基本で、講師の基本用土は赤玉4、腐葉土1、鹿沼土1、日向砂2に加え、パーライト、ゼオライトを適宜混合し、マグアンプKやゴロ石は入れないそうです。

置き場所

棚置きは良くなく、鉢は地面に直接置くのがよい。

​ 時間いっぱいに予定よりも多く話していただき、質問も沢山ありましたが、時間制限で少し残念でした。テンナンショウ、マムシグサたちの魅力満載で、おなかがいっぱいになりました。

 その他網会員の年間シリーズの最終回で「式の管理・春」を解説していただきました。

 また昨年4月に会員競作としたバイカオウレンは今年3月例会に持参して、出来を競う予定でした。ところが今年の暖冬で早く咲いてしまったところもあるので、、この2月例会時に咲いている方は持参願いますと呼びかけたお陰で4名の方の競作展示ができました。

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