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2021年

12月例会報告
2021年12月12日(日)のじぎく会館1階101・102号室

 例会は12月12日の午後1時からのじぎく会館1階101・102号室で開催され、32名(会員30人と見学者2名)の参加者でした。いつもの通りに例会担当の清水さんから開会のあいさつ、続いて会長の話に移り、役員会報告、加えて2年前に競作としたバイカオウレンのその後ということで、2月例会には皆さんの鉢を持ってきてくださいとアナウンスがありました。

 テーマの「山草よもやま話」は伴園芸の伴薫社長さんから、昨年の早春からこの冬までの約2年間、新型コロナで園芸関係のイベント中止が続き、大変厳しい状況だったという、近況報告から話が始まりました。山野草の生産者も減ってきており、扱う植物も高山系のものが生産減となり、(伴さんが)扱う山野草以前は約3000種だったのが約1000種にまで減りました。これには地球の温暖化傾向も関連しているのでしょう。

 次いで、今日持ってきた山野草を取り上げながら種類の紹介に移ります。

スミレの仲間、オーストラリア産で、従来「パンダスミレ」とも呼ばれていたビオラ・バンクシイというスミレの青花品種「ベビーブルー」が販売されるようになりました。地面を這うように広がる性質のスミレです。

 青森のシュンラン、イワナシ実生5年物、オウレン3種はバイカオウレン、キタヤマオウレン、珍しいところではミツバノバイカオウレン、これはコシジオウレンともいう高山性にオウレンです。

 原種シクラメンで新潟の生産者が育てたC.コウムの大株。C.コウムの2年球がポット苗でよく売られていますが、これはコロナ禍で昨年販売できずに残り、つぼみが数十出ているような苗に育ちました。大きく育て上げるのが難しく、そうなる前に多くは腐ってしまいます。

 ユキワリイチゲ。これは会員も多数作っているものですがここに持ってきたのはピンクの花が咲く系統の選抜種です。普通種は花の付きが悪いですが、このピンク花の品種は花も良いようです。ユキワリイチゲはキクザキイチゲなどと違って地下茎の先端周辺に丸いムカゴを数個つけ、植え替えの時のそれを集めて植えておくとよく増えます。

【酸性用土の話題】用土のpHについての話題。山草は酸性度が好きということを2年前に話しましたがその続きを。用土を酸性に変えるのにピートモスを使うときは酸度調整した輸入物は使わないように。ピートモスは関西では夏の暑さで分解し細菌が増えたりして山草には向かない。北海道の泥炭地切り出しのヤチボウズは酸性なのでツツジ科のものやモウセンゴケなど植え込みや挿し木床で好成績を上げています。

【挿し木の話題】挿し木が付きにくい樹木、例えばミツマタやツツジ科の難物の挿し木の切り口には、殺菌剤をぬった後に発根剤処理をすると成績が良いことが最近分かった。これまで発根剤のみで処理してきたが、成績が悪かったのは切り口にカルス(細胞塊)ができてから発根に至る間に細菌などが侵入し、発根を阻害しているようです。殺菌剤はオーソサイド、マンネブ、ベンレートなどを試してみてください。

 ほかにもいろいろと販売苗について興味深い話題が続いたのですが、ここまででも長文になってしまったのでこの辺で伴さんのよもやま話はおしまいに。

 あとは皆さんお楽しみの販売の時間。欲しいもの・目ぼしいものがあってコロナ対策で座っている座席の列ごとに順に購入してもらう対策を施しました。販売担当役員と買いたい熱気にあふれる会員とにぎやかな雰囲気で苗を手にしたほくほく顔と手に出来ずムスッとした顔のいつもの風景が戻ってきたなあ、と感じた例会でした。

伴さんの「山草よまやま話」会場の様子 

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